ケルト諸語圏6つの地域:
ケルト諸語圏 (ケルトしょごけん、英語 : Celtic nations )は、北ヨーロッパ および西ヨーロッパ において、ケルト語派 の言語が今も残る地域を指す名称である 。
ケルト諸語圏として認識される6つの地域は、ブルターニュ (Breizh 、ブレイス)、コーンウォール (Kernow 、ケルノウ)、アイルランド (Éire 、エーレ)、マン島 (Mannin 、マニン)、スコットランド (Alba 、アルバ)、ウェールズ (Cymru 、カムリ)である 。これらの領域の一部では、ケルト語系の言語が現在も話されているか、近代まで話されていた 。スペイン 北西部(ガリシア 、アストゥリアス 、カンタブリア )、ポルトガル (ミーニョ、ドウロ 、トラス・オス・モンテス。いずれもガリシア州と接する山間地帯)が、地域の独自の文化を理由にここに加えられることがある 。
言語と文化がイコールで結ばれることを疑問視する立場から、こういった枠組みに否定的な論者もいる。
構成する6地域
6地域のそれぞれにおいて、一部に独自のケルト語派の言語が残存している。アイルランド、スコットランド、ウェールズ、ブルターニュには今でも母語話者が存在するが、コーンウォールとマン島においては社会言語としては死語となった 。しかし近年、言語復興の動きがあり、成人層によるこれら言語の採用を促し、母語話者の人数を増やしている 。
アイルランド、ウェールズ、ブルターニュ、スコットランドといった地域には、こういった言語を日常的に話す地域がある。こうした地域はアイルランドにおいてはゲールタハト (Gaeltacht)、ウェールズにおいてはア・ヴロー・ガムラーイグ 、ブルターニュにおいてはブレイス・イゼル (フランス語ではバス=ブルターニュ)と呼ばれる 。一般的にこうしたケルト語派言語を話す地域は国の西部や高地、島嶼部に多い。スコットランドでいうケーアルタハク (Gàidhealtachd)は、英語の話されるロウランド と区別されたいわゆるハイランド 全体を指すことがあり、実際、ゲール語を話さない地域も含んでいる自治体ハイランド・カウンシル・エリア のゲール語名として採用されている。ゆえに、ゲール語を話す地域の名称を指す際に、より具体的なスキール・ケーリク(sgìre Ghàidhlig、ゲール語を話す地域の意味)が用いられることもある。
ウェールズにおいて、ウェールズ語は全児童の必修科目となっている 。さらに、ウェールズの学童の20%が、ウェールズ語で全授業を行う学校に進学する 。アイルランド共和国では、学童全員がアイルランド語を中等学校を修了するまでに三大科目の1つとして学ぶ。初等教育の7.4%は、ゲールスコル運動 (英語版 ) の一環として整備された、アイルランド語で教育を行う国立の小中一貫校を通じて行われている 。
イベリア半島北部の一部、特にアストゥリアス州 、ガリシア州 、ポルトガル 北部は、現代ケルト諸語圏の1つに数えられることがある。これは、スペインやポルトガルの他の地域とは異なる、地域の独自文化によるところが大きい。これら地域の伝統音楽ではバグパイプ が用いられる。ガリシアやアストゥリアス出身のこうしたミュージシャンたちは現在はケルト音楽祭に参加している。ポルトガル北部、かつての古代ガラエキア の一部(現在のガリシア、ミーニョ、ドウロ、トラス・オス・モンテス)も、ガリシアと似た伝統を持っている。しかし、前述の6カ国とは異なり、イベリア半島北部ではおそらく中世初期以降、全くケルト語は消滅している 。
下表はそれぞれの地域の人口、およびケルト語派言語の話者人口を示している。ケルト諸語圏に居住する総人口は18,584,000人、このうちケルト語派言語の話者人口はおよそ2,882,100人である[いつ? ] 。
ケルト諸語圏(ケルト連盟とその他ケルト・ナショナリストの定義による)
国名
ケルト語名
話される言語
分類2
住民
人口
ケルト語話者数
人口に占める割合
1 アイルランド
Éire
アイルランド語 (Gaeilge )
G
アイルランド人 (Éireannaigh, Gaeil )
6,260,000
共和国 : 1,774,437 北アイルランド: 167,000
共和国: 41.4% 北アイルランド: 10.4%
ウェールズ
Cymru
ウェールズ語 (Cymraeg )
B
ウェールズ人 (Cymry )
3,000,000
750,000+ total: — ウェールズ : 611,000 — イングランド : 150,000 — アルゼンチン : 5,000 — アメリカ合衆国 : 2,500 — カナダ : 2,200
21.7%
ブルターニュ
Breizh
ブルトン語 (Brezhoneg )
B
ブルトン人 (Breizhiz )
4,300,000
206,000
5%
スコットランド
Alba
スコットランド・ゲール語 (Gàidhlig )
G
スコットランド人 (Albannaich )
5,000,000
92,400
1.2%
コーンウォール
Kernow
コーンウォール語 (Kernowek )
B
コーンウォール人 (Kernowyon )
500,000
2,000
0.1%
マン島
Mannin Ellan Vannin
マン島語 (Gaelg )
G
マン島人 (Manninee )
84,000
1,700
2.2%
ケルト諸語圏の名称をそれぞれのケルト語派言語で表す
(英語)
アイルランド語 (Gaeilge)
スコットランド語 (Gàidhlig)
マンクス語 (Gaelg)
ウェールズ語 (Cymraeg)
コーンウォール語 (Kernowek)
ブルトン語 (Brezhoneg)
Ireland
Éire
Èirinn
Nerin
Iwerddon
Iwerdhon
Iwerzhon
Scotland
Albain
Alba
Nalbin
yr Alban
Alban
Alban/Skos
Mann Isle of Man
Manainn Oileán Mhanann
Manainn Eilean Mhanainn
Mannin Ellan Vannin
Manaw Ynys Manaw
Manow Enys Vanow
Manav Enez Vanav
Wales
an Bhreatain Bheag
a' Chuimrigh
Bretyn
Cymru
Kembra
Kembre
Cornwall
an Chorn
a' Chòrn
y Chorn
Cernyw
Kernow
Kernev-Veur
Brittany
an Bhriotáin
a' Bhreatainn Bheag
y Vritaan
Llydaw
Breten Vian
Breizh
Great Britain
an Bhreatain Mhór
Breatainn Mhòr
Bretyn Vooar
Prydain Fawr
Breten Veur
Breizh Veur
Celtic nations
náisiúin Cheilteacha
nàiseanan Ceilteach
ashoonyn Celtiagh
gwledydd Celtaidd
broyow keltek
broioù Keltiek
Celtic languages
teangacha Ceilteacha
cànain/teangan Cheilteach
çhengaghyn Celtiagh
ieithoedd Celtaidd
yethow keltek
yezhoù Keltiek
ケルトのアイデンティティー
ロリアン国際ケルトフェスティバルで行進するバグパイプ奏者たち
各地域の関係は、近代になってから、言語、文化、スポーツといった多くの分野で活発である。現代の学者の間では、地域間の緊張を生んだり、排外的であったり、新たな民族主義ではないかと警戒されている。
ケルト連盟 (英語版 ) は国際的な政治組織で、ケルト諸語圏の政治、言語、文化、社会的権利の社会運動を行っている 。
民族主義の高まりの中で、1917年に設立されたケルト協議会 (英語版 ) は非政治組織で、ケルト文化と言語の使用促進、知的交流の維持、各国間の関係を密接にすることを目的とする 。
これらの地域の文化を祝う祭典には、ブルターニュのロリアン国際ケルトフェスティバル (英語版 ) 、アイルランドのパン・セルティック・フェスティバル (英語版 ) 、ウェールズのアイステズヴォッド (英語版 ) 、キューバ のセルトフェスト、オーストラリア のナショナル・セルティック・フェスティバル、ケルト諸語圏で作られたテレビ番組や映画を紹介するセルティック・メディア・フェスティバルなどがある 。
ケルト諸語圏の音楽祭には、グラスゴー のセルティック・コネクションズ、そしてストーノーウェイ のヘブリディアン・ケルティック・フェスティバルがある 。新大陸 への移住が行われたため、スコットランド・ゲール語の方言(カナダ・ゲール語)がノバスコシア州 のケープ・ブルトン島 で一部の人々の間で話されている。一方で、アルゼンチンのチュブ州 にあるウェールズ人入植地でウェールズ語が話されている。したがって、ロリアンのフェスティバルにおいては、ガラエキア、アストゥリアス、ケープ・ブルトン島を「9か国 あるケルト諸語圏のうち3か国」とみなしている 。
ラグビーユニオン のプロ12 、陸上競技のセルティック杯、サッカーのセルティック杯といったスポーツ分野において、ケルト諸語圏間の競技会が開催されている 。
1995年から2007年までの急激な経済成長期のアイルランド共和国は、国の別称として「ケルトの虎 」のフレーズが用いられた 。アイルランドと同様の経済成長をスコットランドで達成しようとする憧れから、スコットランド政府首相アレックス・サモンド は、2007年にスコットランド経済を「ケルトのライオン」になぞらえた自らの理念を設定した 。
ケルト語派
これらの地域とそこに住む人々を指す「ケルティック・ネイションズ(Celtic nations)」という名称は、18世紀の学者ジョージ・ブキャナン (英語版 ) やエドワード・ロイド (英語版 ) の言語学研究より派生した 。ロイドは学芸員助手、その後オックスフォード のアシュモレアン博物館 の学芸員(1691年-1709年)として、17世紀後半から18世紀初頭のグレートブリテン島、アイルランド島、ブルターニュを広く旅した。彼はブルターニュ、コーンウォール、ウェールズの言語の類似性に注目し、これらをPケルト語 またはブリソン諸語 と呼んだ。それらに対してアイルランド、マン島、スコットランドの言語はQケルト語 またはゴイデリック語 と呼んだ。これら6つの島嶼ケルト語 に関する調査をまとめて『ブリテン考古学:言語と歴史』(Archaeologia Britannica )を1707年に出版した。この中でロイドは、起源言語は鉄器時代にガリア人 (古代ギリシャおよびローマの作家たちがケルト人と呼んでいた)が話した大陸ケルト語 の子孫であると結論づけた 。ケルト語派としてこれら分野の言語を定義し、そこに住む人々やこれら言語を話す人々もケルト人とされたのは、このように実は、近世になってからである。このようなロイドの見方には現代の研究からは科学的でなく、ケルト語派(Celtic)という用語と派生、及び分類については現在では見直しが進んでいる。
古代ケルトの地
ヨーロッパのケルト人、過去と現在: ケルト語派がが広く話される
ケルト諸語圏と一般的に認識される6地域
紀元前3世紀におけるケルトの影響が及んだ最大の図
鉄器時代 のヨーロッパで、古代ケルト人は大陸の西部大半や中央部、そして東部の一部、中央アナトリア にまで勢力を伸ばした。
大陸にはもはや生きたケルト語派言語を保っている地域はなく、普通いわゆるケルト諸語圏に含まれることはないが、これらの国の一部では、「ケルトのアイデンティティー」が引き金となって20世紀の民族運動が起こっている。
イベリア半島
紀元前200年頃のイベリア半島 .
バグパイプ(ガイタ)を演奏する人々、アストゥリアス
イベリア半島 、特にかつてのガラエキア (現在のガリシア州や、ポルトガルのブラガ 地方、ヴィアナ・ド・カステロ 地方、ドウロ地方、ポルト 、ブラガンサ 地方。スペインのアストゥリアス州、レオン 地方、サモーラ など)は、ケルト文明の影響を強く受けた地域である。
ローマ人によってこれら地域にいると記録されたケルト部族には、ガラエキ族、ブラカリ族、アストゥレス族、カンタブリ族、ケルティシ族、そしてケルティベリア人がいた。ルシタニア人 は一部の学者がケルト人に分類するか、少なくともケルト化していると定義しているが、明らかに非ケルト語派ではないルシタニア語の碑文が残っている。現在のガリシア人、アストゥリアス人、カンタブリア人、そして北ポルトガルの人々はケルトの伝統やアイデンティティーを主張する。ヨーロッパでかつてケルトであった国のように分析することは難しい。なぜならローマ時代にイベリア半島のケルト語派言語は消滅してしまい、地名や言語、古典文学、民間伝承、音楽のなかで独特なものを指しているに過ぎない 。後期の文化的影響は、5世紀、アングロ・サクソン人の侵攻から逃れてガリシアにたどり着いた、ローマ化されたブリトン人の植民によるものである。
中世アイルランド語で書かれた10世紀の歴史書『アイルランド来寇の書(Lebor Gabála Érenn )』では、ガラエキアについて、「アイルランドを征服するためガラエキアのケルト人は海を渡った」という記述がある。
イングランド
ローマ支配下ブリテンの主要な定住地
ケルト語派言語において、イングランドは常にサクソン人 の土地(Sasana , Pow Sows , Bro-Saoz など)、ウェールズ語 ではLloegr (英語に翻訳するとサクソン人のルートも意味する。イングランド住民をSaesneg、Saeson、単数形Saesと呼んできた)と言われてきた。スコットランド・ゲール語の穏やかな言い回しだが軽蔑的な用語に、Sassenach(サクソン人)という上記の発祥と同じものがある。しかし、話し言葉としてのカンブリア語 はおよそ12世紀まで生き残り、コーンウォール語は18世紀まで話されていた。そしてウェールズとイングランドの国境地帯であるウェルシュ・マーチ(現在のヘレフォードシャー )内でのウェールズ語は19世紀まで話されていた。カンブリア そしてコーンウォールは両者とも文化において伝統的にブリソンである。この地域でのアングロ・サクソン植民地は歴史的に小さかった。イングランド成立後しばらくの間、コーンウォールには独立した国家、コーンウォール王国 が存在した。そしてカンブリアは元々はノーサンブリア王国 の中で多くの自治権を保持していた。アングル人のノーサンブリア王国とカンブリア人のカンブリア王国の統一は、ノーサンブリア王オスヴィウと、アングル人の存在がわずかしかない、レゲドの女王Riemmelthの政略結婚で成立したものだった。
過去2世紀にわたって、グレートブリテン内の異なる地方間の人口移動は、産業を発展させ、別荘地所有権の成長など生活様式を変化させた。そして、コーンウォール沖にある、特にコーンウォール文化が保存されコーンウォール自治運動が十分に確立されている、シリー諸島 を含むケルト語派言語地域の人口統計が、大幅に修正された。 。
ブリソン諸語とカンブリア語の地名の名残は、時々イングランド中で点状に見られるが、イングランド東部より西部、歴史的なケルト地域であるコーンウォールとカンブリアで主としてより一般的に見つけられる。砦を意味するcaerの要素はカンブリアの都市カーライル の名に含まれるし、丘を意味するpenはペンリスの町の名に、岩を意味するcraigはハイ・クラッグに見いだせる。カンブリアという名称は、ウェールズ語で「ウェールズ」そのものを意味するカムリ(Cymru)と同じ語源(「仲間の土地」)から派生している。
かつてのガリア
紀元前54年頃のガリア
近世の考古学ブームによって、代ガリア人に共思いをはせるフランス人もいるそしてガリア人がケルト語を話し、ケルトの生活様式を営んでいたこというファンタジーは広く受け入れられた 。フランス国内では、「ゴールの人々」を意味するゴーロワ(Gaulois )という一般的なニックネームは、外国にルーツを持つ人々との違いを際立たせるために「フランス人の血脈」を意味する名称としてよく用いられる。
フランス語およびアルピタン語 を話すイタリアのアオスタ谷 の人々も、近代になってルトの系統であることを主張する 。地域政党 である北部同盟 は、北イタリア全土またはパダーニア 全土がケルトのルーツを持つことをしばしば称主張する 。フリウーリ もケルトの都市であるという主張をしているが、根拠は薄い 。
ベルギーのワロン人 もまた、特にテウトネス族 系のフランデレン 人やラテン系のフランス人 アイデンティティとの対比をするために、ケルト人の出自を取り上げることがある 。ガリア=ケルト人の末裔と捉えるフランス人とは異なり、彼らはゲルマン=ケルト人であると考えていることになる 。
民族グループとしてのワロン人(Walloon)は、ウェールズ人(Welsh)やヴラフ人 (Vlach)と同じく、ゲルマン祖語 で「よそ者」を意味する*Walhaz から派生している。ベルギーの名称は、ケルトの一部族ベルガエ に由来するが、おそらくこれはアイルランド神話 に登場する一部族フィル・ヴォルグ と関連している。
ヨーロッパ中央部・東部
ケルト人たちが定住していた土地は、現在のドイツ 南部、オーストリア にまたがる 。多くの学者たちが、ハルシュタット文化 と初期のケルト人たちを関連付けている 。ボイイ 族、スコルディスキ 族 、そしてウィンデリキア 族 は、ドイツやオーストリアと同様に現在のスロバキア 、セルビア 、クロアチア 、ポーランド そしてチェコ共和国 を含む中央ヨーロッパに定住していた部族の一部である。ボイイ族の名はボヘミア の語源となった 。ボイイ族は現在のプラハ の地に都市をつくった。その遺跡の一部は観光地になっている 。現代のチェコ人の間では、チェコ人はその多くが後世に侵攻してきたスラヴ人 の子孫であるのと同様にボイイの子孫であると主張がなされている(チェコ人の土地に住む歴史的ゲルマン人も同様の主張をする)。この主張は政治的なものではないだろう。セミノによる2000年の調査において、チェコスロバキア の男性の35.6%が、Y染色体 のハプログループR1b (R-M343)を持っていた 。このハプログループR1b (R-M343)はケルト人の間では普通だが、スラヴ人の間ではまれである。現代のセルビアではケルト人の存在ははるか北部(少なくともハンガリー 領ヴォイヴォディナ を歴史的に含む)に限定されているものの、ケルト人は現在のベオグラード 近郊にシンギドゥヌム(en )のまちもつくった。現代のトルコ共和国 の首都アンカラ は、かつてアナトリア半島中央部におけるケルト文明の中心であった。ケルトの存在はアンカラを含む地方名、ガラティア の名を与えている。現代のスイス の地方にちなみ名付けられたラ・テーヌ文化 は、中央ヨーロッパの大部分にあったハルシュタット文化を引き継いだものである 。
ケルティック・ディアスポラ
アルゼンチン、ラウソンの町で民族衣装を着て踊る、ウェールズ系の子供たち
カナダ、オンタリオ州 タムワースにあるパーマネント・ノース・アメリカン・ゲールタハトは、アイルランド国外にある唯一のゲールタハトである。アルゼンチン のパタゴニア 、チュブ州 の谷にあるY Wladfa は、ウェールズ語を話す人々が暮らす。ノバスコシア州 のケープ・ブルトン島 には、カナダ・ゲール語を話す人々がいる。そしてニューファンドランド島 南東部には、アイルランド語を話す人々がいる。1900年代の一時点において、ルイス島 出身のスコットランド・ゲール人12000人以上がケベック州 のイースタンタウンシップス で生活していた。イースタンタウンシップスの地名は今現在もこれらの住民を思い起こさせるものとなっている。
アメリカ の太いベルト地帯はケルト諸語圏からの移住者が集まる先となった。アイルランド語を話すアイルランド人のカトリック 教徒は、東海岸の都市、ニューヨーク 、ボストン 、フィラデルフィア に集まった。一方でプロテスタント のスコットランド人やアルスター・スコッツは、アパラチア を含むアメリカ南部で特に顕著な存在であった。
エリザベス朝 時代に広まった伝説では、マドック(Madoc )という名のウェールズのプリンスが12世紀後半の北アメリカに植民地をつくったというものがある。移住者たちは現地のインディアン部族と同化して、数百年の間ウェールズ語とキリスト教信仰を維持し続けたと物語は続く 。しかし、マドックというプリンスが実在したという現代的な根拠はない。ペンシルバニア州 の、ウェルシュ・トラクトとして知られる地域はウェールズ人のクエーカー教徒 が入植したところで、いくつかの町は今もウェールズ語の名を冠している。19世紀、ウェールズ人移民たちがパタゴニアのチュバ川谷に到着し、Y Wladfaをつくった。現在、Y Wladfaのいくつかの町ではウェールズ語や、ウェールズ語の名がついたティーハウス が一般的である。ドラヴォンやトレレウはウェールズ移民の町である。
南アフリカ の詩人ロイ・キャンベルは自伝の中で、ピーターマリッツバーグ 近く、住民がゲール語とズールー語 だけを話していたダーグル谷での子供時代を回想している。
ニュージーランド では、オタゴ地方 とサウスランド地方 にスコットランド自由教会 の信徒が移住した。この2つの地方の地名の多くが(ダニーディン やインヴァーカーギル といった主要都市やクラサ川といった主要河川のように)、スコットランド・ゲール語の名である 。そしてケルト文化は現在もこの地域で顕著である 。
上記の事例に加え、カナダ、アメリカ合衆国、オーストラリア、南アフリカやかつての大英帝国 の一部の出身者たちが、何年にもわたって様々なケルト協会を組織してきた。
脚注
^ a b Koch, John (2005). Celtic Culture : A Historical Encyclopedia . ABL-CIO. pp. xx, 300, 421, 495, 512, 583, 985. ISBN 978-1-85109-440-0 . https://books.google.co.jp/books?id=f899xH_quaMC&printsec=frontcover&q=celtic+nation&redir_esc=y&hl=ja 2011年11月24日 閲覧。
^ Celticleague.net
^ Koch, John T. (2006). Celtic Culture: A Historical Encyclopedia . ABC-CLIO. pp. 365. https://books.google.com.au/books?id=f899xH_quaMC&printsec=frontcover&dq=Celtic+Culture:+A+Historical+Encyclopedia&source=bl&ots=p_YAf9AxXK&sig=GoBU0DW1RAo3_2SQW3PFMICrA5A&hl=en&ei=0nAXTI6LCJKekQWM6KWcCw&sa=X&oi=book_result&ct=result&resnum=3&ved=0CCcQ6AEwAg#v=onepage&q&f=false 2011年3月2日 閲覧。
^ Koch, John T. (2006). Celtic Culture: A Historical Encyclopedia . ABC-CLIO. pp. 365, 697, 788–791. https://books.google.com.au/books?id=f899xH_quaMC&printsec=frontcover&dq=Celtic+Culture:+A+Historical+Encyclopedia&source=bl&ots=p_YAf9AxXK&sig=GoBU0DW1RAo3_2SQW3PFMICrA5A&hl=en&ei=0nAXTI6LCJKekQWM6KWcCw&sa=X&oi=book_result&ct=result&resnum=3&ved=0CCcQ6AEwAg#v=onepage&q&f=false 2011年3月2日 閲覧。
^ a b Alberro, Manuel (2005). “Celtic Legacy in Galicia” . E-Keltoi: Journal of Interdisciplinary Celtic Studies 6 : 1005–1035. http://www4.uwm.edu/celtic/ekeltoi/volumes/vol6/6_20/alberro_6_20.html .
^ a b c “Site Officiel du Festival Interceltique de Lorient ”. Festival Interceltique de Lorient website . Festival Interceltique de Lorient (2009年). 2009年5月15日 閲覧。
^ Koch, John T. (2006). Celtic Culture: A Historical Encyclopedia . ABC-CLIO. pp. 34, 365–366, 529, 973, 1053. https://books.google.com.au/books?id=f899xH_quaMC&printsec=frontcover&dq=Celtic+Culture:+A+Historical+Encyclopedia&source=bl&ots=p_YAf9AxXK&sig=GoBU0DW1RAo3_2SQW3PFMICrA5A&hl=en&ei=0nAXTI6LCJKekQWM6KWcCw&sa=X&oi=book_result&ct=result&resnum=3&ved=0CCcQ6AEwAg#v=onepage&q&f=false 2010年6月15日 閲覧。
^ “A brief history of the Cornish language ”. Maga Kernow. 2008年12月25日時点のオリジナル よりアーカイブ。2013年6月18日 閲覧。
^ Beresford Ellis, Peter (1990, 1998, 2005). The Story of the Cornish Language . Tor Mark Press. pp. 20–22. ISBN 0-85025-371-3
^ Fockle ny ghaa: schoolchildren take charge
^ “'South West:TeachingEnglish:British Council:BBC” . BBC/British Council website (BBC ). (2010年). http://www.teachingenglish.org.uk/uk-languages/south-west 2010年2月9日 閲覧。
^ Anyone here speak Jersey?
^ “http://www.breizh.net/icdbl/saozg/Celtic_Languages.pdf ” (pdf). Breizh.net website . U.S. Branch of the International Committee for the Defense of the Breton Language (1995年). 2008年10月26日 閲覧。
^ “BBC Wales – The School Gate – About School – The Curriculum at Primary School – ”. BBC website . BBC (2010年2月20日). 2010年2月20日 閲覧。
^ a b “BBC News:Education:Local UK languages 'taking off'” . BBC News website (BBC ). (2009年2月12日). http://news.bbc.co.uk/1/hi/education/7885493.stm 2010年2月20日 閲覧。
^ Koch, John T. (2006). Celtic Culture: A Historical Encyclopedia . ABC-CLIO. https://books.google.com.au/books?id=f899xH_quaMC&pg=PA789&lpg=PA789&dq=Koch+Britonia&source=bl&ots=p-RBffBsVF&sig=X4K9v-jLTxTLCkoRKaT-U2X0q9E&hl=en&ei=zmLxTZ6XI4_YuAOfqpzLBA&sa=X&oi=book_result&ct=result&resnum=9&ved=0CEwQ6AEwCA#v=onepage&q&f=false
^ Koch, John T. (2006). "Britonia". In John T. Koch, Celtic Culture: A Historical Encyclopedia . Santa Barbara: ABC-CLIO, p. 291.
^ a b Central Statistics Office Ireland
^ a b The figure for 北アイルランド from the 2001 Census is somewhat ambiguous, as it covers people who have "some knowledge of Irish". Out of the 167,487 people who claimed to have "some knowledge", 36,479 of them could only understand it spoken, but couldn't speak it themselves.
^ “2004 Welsh Language Use Survey: the report – Welsh Language Board ”. 2010年5月23日 閲覧。
^ United Nations High Commissioner for Refugees. “Refworld | World Directory of Minorities and Indigenous Peoples – United Kingdom : Welsh ”. UNHCR. 2010年5月23日 閲覧。
^ “Wales and Argentina ”. Wales.com website . Welsh Assembly Government (2008年). 2011年1月2日 閲覧。
^ “Table 1. Detailed Languages Spoken at Home and Ability to Speak English for the Population 5 Years and Over for the United States: 2006–2008 Release Date: April, 2010 ” (xls). United States Census Bureau (2010年4月27日). 2011年1月2日 閲覧。
^ “2006 Census of Canada: Topic based tabulations: Various Languages Spoken (147), Age Groups (17A) and Sex (3) for the Population of Canada, Provinces, Territories, Census Metropolitan Areas and Census Agglomerations, 2006 Census – 20% Sample Data ”. Statistics Canada (2010年12月7日). 2011年1月3日 閲覧。
^ “Publication of the report on the 2004 Welsh Language Use Survey ”. Welsh Language Board website An increase from the 2001 census results: 582,368 persons age 3 and over were able to speak Welsh – 20.8% of the population. . Welsh Language Board (2006年5月8日). 2010年4月4日 閲覧。
^ a b (フランス語) Données clés sur breton, Ofis ar Brezhoneg
^ BBC News: Mixed report on Gaelic language
^ Kenneth MacKinnon (2003年). “Census 2001 Scotland: Gaelic Language – first results ”. 2007年3月24日 閲覧。
^ “'South West:TeachingEnglish:British Council:BBC” . BBC/British Council website (BBC ). (2010年). http://www.teachingenglish.org.uk/uk-languages/south-west 2010年2月20日 閲覧。
^ projects.ex.ac.uk – On being a Cornish ‘Celt’: changing Celtic heritage and traditions
^ Effectively extinct as a spoken language in 1777. Language revived from 1904, though remains a tiny 0.1% percent being able to hold a limited conversion in Cornish.
^ 2006 Official Census, Isle of Man
^ Gov.im – Culture
^ An English-Cornish Glossary in the Standard Written Form
^ “The Celtic League ”. Celtic League website . The Celtic League (2010年). 2010年2月20日 閲覧。
^ “Information on The International Celtic Congress Douglas, Isle of Man hosted by ” (Irish, English). Celtic Congress website . Celtic Congress (2010年). 2010年2月20日 閲覧。
^ “Welcome to the Pan Celtic 2010 Home Page ”. Pan Celtic Festival 2010 website . Fáilte Ireland (2010年). 2010年2月20日 閲覧。
^ “About the Festival ”. National Celtic Festival website . National Celtic Festival (2009年). 2010年2月20日 閲覧。
^ “About Us::Celtic Media Festival ”. Celtic Media Festival website . Celtic Media Festival (2009年). 2010年2月20日 閲覧。
^ “Celtic connections:Scotland's premier winter music festival ”. Celtic connections website . Celtic Connections (2010年). 2010年2月20日 閲覧。
^ “'Hebridean Celtic Festival 2010 – the biggest homecoming party of the year ”. Hebridean Celtic Festival website . Hebridean Celtic Festival (2009年). 2010年2月20日 閲覧。
^ “Magners League:About Us:Contact Information ”. Magners League website . Magners League (2009年). 2010年2月20日 閲覧。
^ “scottishathletics-news ”. scottishathletics website . scottishathletics (2006年6月14日). 2010年2月20日 閲覧。
^ Coulter, Colin; Coleman, Steve (2003). The end of Irish history?: critical reflections on the Celtic tiger . Manchester: Manchester University Press. p. 83. ISBN 0-7190-6230-6 . https://books.google.co.jp/books?id=HUotQrzh-uIC&printsec=frontcover&dq=Celtic+Tiger&cd=2&redir_esc=y&hl=ja#v=onepage&q=Celtic%20people&f=false 2010年2月20日 閲覧。
^ “"Celtic Tiger" No More – CBS Evening News – CBS News” . CBS News website (CBS Interactive ). (2009年3月7日). http://www.cbsnews.com/stories/2009/03/07/eveningnews/main4851791.shtml 2010年2月20日 閲覧。
^ “BBC News:Scotland:Salmond gives Celtic Lion vision” . BBC News website (BBC ). (2007年10月12日). http://news.bbc.co.uk/1/hi/scotland/7042726.stm 2010年2月20日 閲覧。
^ “Who were the Celts? ... Rhagor ”. Amgueddfa Cymru – National Museum Wales website . Amgueddfa Cymru – National Museum Wales (2007年5月4日). 2009年12月10日 閲覧。
^ Lhuyd, Edward (1707). Archaeologia Britannica: an Account of the Languages, Histories and Customs of Great Britain, from Travels through Wales, Cornwall, Bas-Bretagne, Ireland and Scotland . Oxford. https://books.google.co.jp/books?id=KmsuAAAAQAAJ&printsec=frontcover&dq=Edward+Lhuyd&cd=1&redir_esc=y&hl=ja#v=onepage&q=&f=false
^ Melhuish, Martin (1998). Celtic Tides: Traditional Music in a New Age . Ontario, Canada: Quarry Press Inc.. pp. 28. ISBN 1-55082-205-5
^ The Kingdom of Kernow 'exists apart from England' – Telegraph.co.uk, 29 January 2010
^ “What Is France? Who Are the French? ”. 2010年5月15日 閲覧。
^ “Aosta Festival digs up Celtic roots in Italy ”. 2010年5月15日 閲覧。
^ “Celtica Festival 2009, Northern Italy ”. 2010年5月15日 閲覧。
^ “KurMor Celtic Festival in Ara, Udine, Friuli, Italy ”. 2010年5月15日 閲覧。
^ a b “Belgium: Flemings, Walloons and Germans ”. 2010年5月15日 閲覧。
^ Celts – Hallstatt and La Tene cultures
^ Celtic Impressions – The Celts
^ AncientWorlds.net , 27k
^ Vindelici
^ Boii – Britannica Online Encyclopedia
^ http://www.prague.net/celtic-walk
^ O. Semino et al, The genetic legacy of paleolithic Homo sapiens sapiens in extant Europeans: a Y chromosome perspective, Science , vol. 290 (2000), pp. 1155–59.
^ The Early Celts
^ Catlin, G. Die Indianer Nordamerikas Verlag Lothar Borowsky
^ Te Ara: Encyclopedia of New Zealand
^ Lewis, John (2008年12月1日). “Regal poise amid 'Celtic' clime ”. Otago Daily Times . 2011年9月23日 閲覧。
^ DunedinCelticArts.org.nz
^ OtagoCaledonian.org