シュレーダー邸

世界遺産 リートフェルト・シュレーダーハウス(リートフェルトのシュレーダー邸)
オランダ
シュレーダー邸
シュレーダー邸
英名 Rietveld Schröderhuis (Rietveld Schröder House)
仏名 Rietveld Schröderhuis (Maison Schröder de Rietveld)
登録区分 文化遺産
登録基準 (1),(2)
登録年 2000年
公式サイト 世界遺産センター(英語)
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シュレーダー邸の位置
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リートフェルトのシュレーダー邸オランダ語: Rietveld Schröderhuis)は、オランダユトレヒト市内にあり、1924年に、オランダ人建築家ヘリット・リートフェルトによって設計された住宅である。デ・ステイル建築を代表する作品で、世界遺産に登録されている。

概要

夫を亡くしたシュレーダー夫人(トゥルース・シュレーダー・シュラーダー)と3人の子供たちのために建てられた。

モンドリアンの抽象画を建築化したかのような外観で、白・灰の面と黒・赤・黄・青の線によって構成されている。これは1917年に発表された「赤と青のいす」の造形原理を発展させたものである。

鉄筋コンクリート造では高価になるため、壁を漆喰塗りの煉瓦造とし、床と屋根は木造である。補助材としてI型鋼とコンクリート(バルコニー部分)が使われている

1階にはスタジオ、書斎、台所、家事室、メイド室がある(リートフェルトは1932年まで1階を借りて仕事場にしていた)。2階は居間、夫人の寝室、息子の部屋、娘2人の部屋があるが、間仕切りは可動式で、移動させると1つの広い部屋として使うことができるようになっている。これは夫人のアイディアによるという

シュレーダー夫人は1985年に亡くなるまで、この邸宅で生活を送った。現在では、建築家ベルタス・ムルダー(Bertus Mulder)によって修復が行われ、公設のミュージアムとして訪問者に開放されている。

2000年に、リートフェルトによる現代建築運動の証の1つと認められると、ユネスコ世界遺産に登録された。

参考文献

脚注の典拠。主な執筆者の順。

  • 奥 佳弥「9020 Rietveld-Schroderhuisの住人, Truus Schroderについて(建築史・建築意匠・建築論)」『日本建築学会近畿支部研究報告集. 計画系』第30号、889-892頁。 
  • 「Rietveld-Schroderhuisの住人,Truus Schroderについて(建築歴史・建築意匠・建築論)(近畿支部)(1990年度支部研究発表梗概)」『建築雑誌. 建築年報』第1991号、1991年9月20日、134頁。 
  • Rietveld, Gerrit Thomas、栗田仁 著、塚田容子 訳『シュレーダー・ハウス : 建築家リートフェルト : 世界遺産』宮本和義[写真]、バナナブックス、2005年。全国書誌番号:21031850 原書題名『Schröder House : G. T. Rietvel』
  • 新建築社 編『NHK 夢の美術館 世界の名建築100選』新建築社、2008年、214頁。 ISBN 978-4-7869-0219-2。「夢の美術館 世界の名建築一〇〇選」(2008年1月放送NHKBS-hi番組)の書籍化。編集協力「夢の美術館 世界の名建築100選」番組スタッフ、NHKエデュケーショナル
  • van Zijl, Ida (2009) (オランダ語). Het Rietveld Schröderhuis : de voorgeschiedenis, het huis als woning, het huis als monument. Bertus Mulder Matrijs. NCID BC12908075  ISBN 9789053453773.
  • 山縣洋『オランダの近代建築』41号、香山壽夫 監修、丸善〈建築巡礼〉、1999年。 NCID BA40679652 ISBN 4621045873

登録基準

この世界遺産は世界遺産登録基準のうち、以下の条件を満たし、登録された(以下の基準は世界遺産センター公表の登録基準からの翻訳、引用である)。

  • (1) 人類の創造的才能を表現する傑作。
  • (2) ある期間を通じてまたはある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの。

脚注

  1. ^ a b 山縣 1999, p. 42
  2. ^ 新建築社 2008, p. 214

外部リンク