国際通商 |
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自由港(じゆうこう、英: free port; free trade zone; free zone)は、港湾の全域あるいは一部を関税制度上は外国とみなし、輸入貨物に関税を課さず、外国貨物および船舶の国外との自由な出入りを認める制度。保税制度を拡張したものであり、国全体としては関税による保護政策を維持しつつ、中継貿易や加工貿易の促進を図る目的で行なわれる。関税を免除された外国貨物は区域内での積み込み、陸揚げ、保管、消費、(現地製品も含めた)混合、改装、再包装、仕分け(仕訳、荷分け)、組立、加工、製造などが認められ、これにより海運、倉庫、保険といった商港産業の発展が促される。
自由港は古代カルタゴやローマ帝国でも見られたが、近世のものは中世イタリアの自由都市に由来があり、16-17世紀イタリアのリボルノ、ベネチア、ナポリ、ジェノバといった主要港を原型とする。これらの自由港市は外国人の居住も認めていた。のち中欧・北欧が発展するにつれ、ハンブルク、ブレーメン、ダンチヒ(グダニスク)などにも自由港市は広がったが、自由港市は19世紀には多くが廃止され、現在では自由港区または自由地区として運用されるか、より弾力性のある保税制度を利用する場合が多い。日本に自由港は無い。