ホビット 竜に奪われた王国

ホビット 竜に奪われた王国
The Hobbit:
The Desolation of Smaug
監督 ピーター・ジャクソン
脚本
原作 J・R・R・トールキン
ホビットの冒険
製作
製作総指揮
  • アラン・ホーン
  • トビー・エメリッヒ
  • ケン・カミンズ
  • キャロリン・ブラックウッド
出演者
音楽 ハワード・ショア
主題歌 エド・シーランアイ・シー・ファイア
撮影 アンドリュー・レスニー
編集 ジャベス・オルセン
製作会社
配給 ワーナー・ブラザース
公開 アメリカ合衆国の旗 2013年12月2日LAプレミア)
ニュージーランドの旗 2013年12月12日
アメリカ合衆国の旗イギリスの旗 2013年12月13日
日本の旗 2014年2月28日
上映時間 161分(劇場版)
186分(EE)
製作国 ニュージーランドの旗 ニュージーランド
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $225,000,000
興行収入 世界の旗$959,027,992
アメリカ合衆国の旗カナダの旗$258,387,334
日本の旗 14億1000万円
前作 ホビット 思いがけない冒険
次作 ホビット 決戦のゆくえ

ホビット 竜に奪われた王国』(ホビット りゅうにうばわれたおうこく、The Hobbit: The Desolation of Smaug)は、ピーター・ジャクソン監督・製作・共同脚本による2013年のエピック・ファンタジー冒険映画である。J・R・R・トールキンの1937年の小説『ホビットの冒険』を原作とした『ホビット』三部作の2作目である。邦題が正式決定する以前は、原題の直訳である『ホビット スマウグの荒らし場』が仮称として使われていた。

また、劇場公開版に未公開シーン約25分を追加した『エクステンデッド・エディション(EE)』を映像ソフトで発表している。

あらすじ

邪悪なドラゴン、スマウグに王国エレボールを奪われたドワーフの王トーリンはスマウグを退治し、王国を奪い返そうと13人の仲間と、灰色の魔術師ガンダルフ、そしてホビットのビルボ・バギンズらとエレボールを目指して旅を続けている。道中、邪悪なオーク達の追撃をかわしつつ冒険を続けるトーリン、ビルボ達。やがてガンダルフは「もう一つの危惧」を確かめるため闇の森の前で旅の仲間達と別れ、邪悪なネクロマンサーの噂を確かめるためドル・グルドゥアに向かう。ガンダルフはそこで、恐ろしい魔人の復活を目の当たりにする。

ガンダルフと別れたトーリン達は恐ろしい巨大クモの巣穴に紛れ込んでしまい、クモに捕食されかけるが、ビルボの機転と"シルヴァン・エルフ(森のエルフ)"の王の息子レゴラスと 闇の森の守備隊長タウリエルが現れたことによりその場を生き延びる。しかしシルヴァン・エルフはドワーフに良い感情を持たず、より好戦的な種族だった。エルフに見つからなかったビルボを除き、ドワーフ一行はエルフの里に捕らえられてしまう。トーリンはエルフの王でレゴラスの父であるスランドゥイルと会談する。スランドゥイルはスマウグの元からエルフの宝を持ち帰ることを条件に開放する取引を持ちかけるが、かつて王国を奪われた際に見捨てられた恨みを未だに忘れていないトーリンは取引を拒否。ドワーフは全員投獄されることとなる。そんな中、タウリエルは獄中のドワーフの1人・キーリと意気投合し、互いを意識するようになる。

その後、こっそり侵入したビルボの助けによりドワーフ一行は樽に乗り込み川へ脱出する。しかし、一行がエルフの里から出てくるときを待ち伏せていたオークの襲撃に遭い、辛くもその場を逃れるがキーリは毒矢を受けて負傷してしまう。また、武器はすべてエルフの里に残してきてしまったため丸腰であり、一行はまたも危機に陥る。そこに現れた湖の町・エスガロスに住む弓の達人バルドに助けられ、町の中へ密入する。エスガロスはエレボールのある「はなれ山」の近くであるが、かつてスマウグに襲われ富を失った谷間の国の人間達が逃げ込み、現在は堕落した統領により支配されている腐敗した町だった。バルドは子供達を養いながらクーデターを計画していた。そんな中 出会ったドワーフ一行は、町の予言にあった「山の下の王の復活」ではないかとバルドは考える。

ドワーフ一行は統領に隠れてエレボールに向かう準備をしていた際に、キーリの傷が悪化し見つかってしまう。一行は尋問を受けるが、「王国を取り戻した暁には、財宝は山のふもとのすべての民で分け合うこと」を約束し、町の支持を得る。しかし、バルドは「竜を刺激しては再び町が襲われる」と王国の奪還に反対した。誰よりも竜の恐ろしさを理解していた彼は、かつてスマウグを殺し損ねた、谷間の国の領主ギリオンの子孫だったのだ。意見は割れたが、最終的に統領が一行を歓迎することと決めたことでトーリンの説得は成功し、武器や装備を手に入れる。いよいよエレボールに向かうが、キーリは傷の悪化が激しかったため町に残るようトーリンに命じられてしまい、キーリの兄フィーリも弟と共に残ることにする。

苦難を乗り越え、入り口と鍵穴を発見し、エレボールに到着した一行。ビルボはドワーフの秘宝である「アーケン石」を求めて一人エレボール内部に侵入するが、金銀財宝の溢れた宮殿の中で、邪悪な竜が眠りから目を覚まし、ビルボの前に巨大な姿を現す。ビルボはスマウグから「アーケン石」を奪い逃げようとするが、追い詰められてしまう。そこにトーリンたちが助けに現れるが、巨大なスマウグに太刀打ちできず危機に陥る。しかし、トーリンの機転でエレボールの炉に火を入れ、溶かした黄金でスマウグを固めようと思い付く。作戦は成功したかに思えたが、スマウグは固まる前に脱出し、ドワーフ一行に協力したエスガロスを滅ぼすことを告げ、エレボールから飛び立った。

登場人物

キャスト

製作

撮影の大部分は2012年内に完了していたが、2013年5月、本作および完結編の『決戦のゆくえ』の物語のためにニュージーランドで追加撮影が始まり10週間続いた

本作ではゴラム役のアンディ・サーキスは出演していない。サーキスが出演しないのはロード・オブ・ザ・リングシリーズを含めシリーズ初であるが、前作『思いがけない冒険』と同様に第2班監督として制作に参加している。

音楽

映画音楽ハワード・ショアが作曲し、ニュージーランド交響楽団が演奏した。サウンドトラック盤は2013年12月10日に発売された。

エンドクレジットではイングランドのシンガーソングライターのエド・シーランによる「アイ・シー・ファイア (I See Fire)」が使われた。2013年11月5日にiTunesで発売された

配給

ロサンゼルス・プレミアでのベネディクト・カンバーバッチ

マーケティング

ピーター・ジャクソンは2013年3月24日に開催されたライブイベントでシリーズ2作目の詳細を初めて明かした。アクセスコードは『ホビット 思いがけない冒険』のDVDにアタッチされた。中継放送でジャクソンはエヴァンジェリン・リリー演じるタウリエルの役割はエルフの守備隊員であるといったプロットの一部を明かした。1本目の予告編は2013年6月11日に公開された。2013年11月4日、3分に及ぶ予告編が公開された、主要プロットが明確となった

劇場公開

プレミア上映は2013年12月2日にロサンゼルスドルビー・シアターで行われた。国際市場では2013年12月11日、アメリカ合衆国およびイギリスでは12月13日より封切られた

評価

興行収入

2013年12月18日時点で北アメリカでは9099万8253ドル、北アメリカ外で1億3540万ドル、全世界で2億2639万8253ドルを売り上げている

北アメリカ
初日深夜上映では880万ドルを売り上げたが、これは12月公開作品としては『思いがけない冒険』に次ぐ記録である。初週末は3日間では『思いがけない冒険』より約1100万ドル少ない7364万5197ドルを売り上げた
北アメリカ外
初週末では1億3540万ドルを売り上げ、そのうちドイツでは1900万ドル、イギリスでは1520万ドル、フランスでは1340万ドルであった
日本
日本では丸の内ピカデリー1他全国681スクリーンで上映され、2014年3月1日・2日の初週土日2日間で動員24万4,577人、興行収入3億1,326万6,550円で週末の全国映画動員ランキング1位、初日の2月28日(金曜日)を合わせた3日間では累計動員30万5,676人、興収3億9,642万5,150円となった。

批評家の反応

ロサンゼルスでのプレミアの後、『Metro』や『ガーディアン』は批評家の反応が好評であったと報じた。一方でE!は前作よりも好評であるが賛否両論と報じた。国際公開の後でMTVは批評家の反応が好調であると報じたRotten Tomatoesでは180件の批評家レビューで支持率は74%であるMetacriticでは44件の批評家レビューで加重平均値は66/100である

受賞とノミネート

ホームメディア

  • 【初回限定生産】ホビット 竜に奪われた王国 ブルーレイ&DVDセット(3枚組、2014年7月9日発売)
  • 【初回限定生産】ホビット 竜に奪われた王国 3D&2D ブルーレイセット(4枚組、2014年7月9日発売)
  • 【初回限定生産】ホビット 竜に奪われた王国 DVD(1枚組、2014年7月9日発売)
  • 【初回限定生産】ホビット 竜に奪われた王国 エクステンデッド・エディション Blu-ray(5枚組、2014年11月12日発売)
  • 【初回限定生産】ホビット 竜に奪われた王国 エクステンデッド・エディション DVD(5枚組、2014年11月12日発売)

参考文献

  1. ^ The Hobbit: The Desolation of Smaug”. Marquee Cinemas. 2013年12月7日閲覧。
  2. ^ Faughnder, Ryan. “'Hobbit' sequel 'Desolation of Smaug' to take box office gold”. latimes.com. 2013年12月15日閲覧。
  3. ^ Smith, Grady. “Box office report: 'The Hobbit' captures $73.6 million; Tyler Perry's latest 'Madea' film struggles”. ew.com. 2013年12月16日閲覧。
  4. ^ a b The Hobbit: The Desolation of Smaug”. Box Office Mojo. 2020年8月10日閲覧。
  5. ^ 2014年興行収入10億円以上番組 (PDF) - 日本映画製作者連盟 2014年1月27日閲覧。
  6. ^ 作中の音声は「黒の言葉」を逆から読んだものを録音して、それをさらに逆再生したものが使用されている。 https://www.cinematoday.jp/interview/A0004040
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  10. ^ Ed Sheeran unveils 'The Hobbit' song 'I See Fire' music video - watch”. Digital Spy (2013年11月7日). 2013年11月7日閲覧。
  11. ^ Sheeran, Ed (2013年11月4日). “I very happy to announce I have written and recorded the end credits song for the new Hobbit movie 'The Desolation of Smaug'”. Twitter. 2013年11月5日閲覧。
  12. ^ a b c The Hobbit: Desolation Of Smaug Preview Footage - Details And Live Blog - Bleeding Cool Comic Book, Movies and TV News and Rumors”. Bleedingcool.com (2013年3月24日). 2013年11月28日閲覧。
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  21. ^ Weekend Box Office Results for December 13-15, 2013”. Box Office Mojo. 2013年12月15日閲覧。
  22. ^ The Hobbit: The Desolation of Smaug”. Box Office Mojo. 2013年12月19日閲覧。
  23. ^ この段落の出典。壬生智裕 (2014年3月4日). “『ホビット』2014年洋画初のナンバーワン獲得!【映画週末興行成績】”. シネマトゥデイ. 2014年3月4日閲覧。
  24. ^ Sarah Dean. “‘Middle Earth’s got its mojo back’: First reviews for The Hobbit: The Desolation of Smaug roll in”. Metro. 2013年12月7日閲覧。
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  26. ^ Nessif, Bruna (2013年12月11日). “News/ The Hobbit: The Desolation of Smaug Review Roundup: Critics Can't Find Middle Ground on Middle-earth”. E!. 2013年12月13日閲覧。
  27. ^ The Hobbit: The Desolation of Smaug - Reviews are in”. MTV. 2013年12月13日閲覧。
  28. ^ The Hobbit: The Desolation Of Smaug”. Rotten Tomatoes. 2013年12月20日閲覧。
  29. ^ The Hobbit: The Desolation of Smaug Reviews”. Metacritic. 2013年12月7日閲覧。

外部リンク