謝肉祭(しゃにくさい)またはカーニバル(英語: carnival)は、元々カトリックなど西方教会の文化圏で見られる通俗的な節期で、四旬節の前に行われる。
仮装したパレードや菓子や花を投げる行事などが行われてきたことから、現代では宗教的な背景のない単なる祝祭をもカーニバルと称することが多い。
謝肉祭は、各国で次のように呼ばれる。
日本語ではカーニバルを「お祭り」として使用する事例も見られる。
カーニバルの語源は、俗ラテン語の carnem(肉を)levare(取り除く)に由来する。
元々は四旬節が始まる「灰の水曜日」の前夜に開かれた、肉に別れを告げる宴のことを指した。
ドイツ語の「ファストナハト」などもここに由来し、「断食の前夜」の意で、四旬節の断食(大斎)の前に行われる祭りであることを意味する。
他に、謝肉祭は古いゲルマン人の春の到来を喜ぶ祭りに由来するという説がある。七日の間、教会の内外で羽目を外した騒ぎを繰り返し、最後に自分たちの狼藉ぶりの責任を転嫁した大きな藁人形を火あぶりにする、というのがその原初的なかたちであったという。
カーニバルの語源は、この農耕祭で船を仮装した山車 carrus navalis(車・船の意)を由来とする説もあるが、断食の前という意味の方が古いという研究者もいる。
期間は地域により異なるが、多くは1週間である。
最終日はほとんどの場合火曜日(灰の水曜日の前日)であり、一部の地域では、この火曜日をマルディグラ(肥沃な火曜日)、シュロブ・チューズデー(告解火曜日)、パンケーキ・デイなどといい、パンケーキを食べる習慣がある。これは、四旬節に入る前に卵を使い切るために生じた習慣でもある。
シュロブ・チューズデーの名は、かつて謝肉祭最終日、すなわち灰の水曜日前日に、皆が告解を行う習慣があったことに由来する。
現在は、その起源である宗教的な姿を留めず、単なる年中行事や観光行事になっている地域も多い。
イタリアでヴェネツィアのカーニバルは1094年より行われる。
ブラジルのカーニバル時期に行われるサンバ・パレードからの連想で、ロンドンのノッティング・ヒル・カーニバルや、東京の浅草サンバカーニバルのように、四旬節とは全く異なる時期に開催される単なるサンバ・パレードをカーニバルと称する事もある。
謝肉祭に関して、各界の研究者から以下の様な論が表されている。
ドイツでは、主にラインラントからバイエルン、アウガウなどカトリックの多い地域で行われ、「アラーフ!」(ケルン)、「ヘラウ!」(デュッセルドルフ)等独特の挨拶を交わし、仮装して祝う。地方により、謝肉祭は、ファシング、ファスナハトなど呼び方が異なる。薔薇の月曜日(Rosenmontag)には、ケルン・デュッセルドルフ・マインツ・アーヘン・ボンで薔薇の月曜日の行列(Rosenmontagsumzug)が繰り出し、「カメレ」という叫び声をあげる人々に向けて菓子を投げる。
他に、世界各地に以下の通りカーニバルで有名な町が存在する。