ルイ・オーギュスト・ブランキ(Louis Auguste Blanqui、1805年2月1日 - 1881年1月1日)は、フランスの社会主義者、革命家。19世紀フランスにおけるほとんどの革命に参加し、のべ33年余りにわたって収監された。カルボナリ党員でもあり、多くの秘密結社や陰謀に関わった。兄は経済学者ジェローム・アドルフ・ブランキ(Jérôme-Adolphe Blanqui)である。
武装した少数精鋭の秘密結社による権力の奪取と人民武装による独裁の必要を主張した ブランキはフランソワ・ノエル・バブーフを尊敬しており、武装した少数精鋭の秘密結社による権力の奪取や人民武装による独裁といった彼の主張はバブーフから学んだものである。カール・マルクスは彼を革命的共産主義者として称揚している。彼の影響下にあったヴァイトリングは義人同盟(正義者同盟。後の共産主義者同盟)のメンバーであり、共産主義者同盟の文書である共産党宣言で彼は例外的に批判されなかった。
彼の理論はブランキ主義(Blanquism)と呼ばれ、ドイツのヴィルヘルム・ヴァイトリングや、ロシアのピョートル・トカチョーフ、そしてウラジーミル・レーニンへと受け継がれることになる。またアナキストのバクーニンの革命家の組織論は、ヴァイトリング経由でブランキの影響があるともいわれる。
1839年にブランキが同志のアルマン・バルベス、マルタン・ベルナールらとともに結成した革命組織。別名「四季の会」「季節協会」など。
構成員は3段階ないし4段階の序列に細分化されていた。最小単位は7人のメンバーで「週」と呼ばれる一個小隊を編成、「日曜」と呼ばれる者がその指揮を執る。「週」の小隊4個の28人で「月」の中隊を編成、3つの「月」の中隊で「季節」の大隊を編成し、「春」の大隊が各大隊の指揮を執る。4つの「季節」の大隊を集めた「年」の組織全体をブランキが指揮した。
ギルバート・ケイス・チェスタートンの小説『木曜の男』では作中に「日曜」を議長とする革命組織が登場する。これについて澁澤龍彦は、学識の深いチェスタートンは19世紀の革命組織にも通じていたのだろうと推察している。また、押井守原作の漫画『犬狼伝説』では、ハイジャック事件を起こした左翼テロ集団が「四季協会」と名乗っている。