| ||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2023年のケイン | ||||||||||||||
名前 | ||||||||||||||
本名 |
ハリー・エドワード・ケイン Harry Edward Kane | |||||||||||||
愛称 | The hurricane | |||||||||||||
ラテン文字 | Harry Kane | |||||||||||||
基本情報 | ||||||||||||||
国籍 |
イングランド アイルランド | |||||||||||||
生年月日 | 1993年7月28日(30歳) | |||||||||||||
出身地 | ロンドン・ウォルサム・フォレスト区 | |||||||||||||
身長 | 188cm | |||||||||||||
体重 | 86kg | |||||||||||||
選手情報 | ||||||||||||||
在籍チーム | FCバイエルン・ミュンヘン | |||||||||||||
ポジション | FW(CF、SS) | |||||||||||||
背番号 | 9 | |||||||||||||
利き足 | 右足 | |||||||||||||
ユース | ||||||||||||||
2001-2002 | アーセナル | |||||||||||||
2002-2004 | ワトフォード | |||||||||||||
2004-2009 | トッテナム・ホットスパー | |||||||||||||
クラブ1 | ||||||||||||||
年 | クラブ | 出場 | (得点) | |||||||||||
2009-2023 | トッテナム・ホットスパー | 317 | (213) | |||||||||||
2011 | → レイトン・オリエント (loan) | 18 | (5) | |||||||||||
2012 | → ミルウォール (loan) | 22 | (7) | |||||||||||
2012-2013 | → ノリッジ・シティ (loan) | 3 | (0) | |||||||||||
2013 | → レスター・シティ (loan) | 13 | (2) | |||||||||||
2023- | バイエルン・ミュンヘン | 42 | (42) | |||||||||||
代表歴2 | ||||||||||||||
2010 | イングランド U-17 | 3 | (2) | |||||||||||
2010-2012 | イングランド U-19 | 14 | (6) | |||||||||||
2013 | イングランド U-20 | 3 | (1) | |||||||||||
2013-2015 | イングランド U-21 | 14 | (8) | |||||||||||
2015- | イングランド | 89 | (62) | |||||||||||
| ||||||||||||||
1. 国内リーグ戦に限る。2023年11月25日現在。 2. 2023年11月20日現在。 ■テンプレート(■ノート ■解説)■サッカー選手pj |
ハリー・エドワード・ケイン(Harry Edward Kane MBE, 1993年7月28日 - )は、イングランド・ウォルサム・フォレスト区出身のサッカー選手。ブンデスリーガ・FCバイエルン・ミュンヘン所属。イングランド代表。ポジションはフォワード。
2004年にトッテナム・ホットスパーの下部組織に加入し、2010年にトップチーム昇格して以降3度のプレミアリーグ得点王、4度のPFA年間ベストイレブンに選出されている他、2015年からはクラブの副主将を務めた。
イングランド代表には2015年から選出され、2018年からは主将を務めている。2018 FIFAワールドカップでは大会得点王に輝き、大英帝国勲章メンバーが授与された。
地元のクラブ、リッジウェイ・ローヴァーズに入団し、フットボールを始めた。7歳の時にスカウトを受けて、アーセナルのユースチームに入団した。アーセナルに入団した時には既にスパーズファンだったため、当時からスパーズのシャツが着たかったとも語っている。加入後約1年でアーセナルFCから放出されて、ワトフォードのユースチームに入団、その後11歳でトッテナムのユースチームに入団した。
2004年からトッテナムのユースチームでプレー。2009-10シーズンには出場こそ無かったものの、カップ戦でトップチームでのベンチ入りも経験した。
2010-11シーズンの2011年1月7日、レイトン・オリエントにシーズン終了までの期限付きで移籍。
2011-12シーズンの2011年8月25日、UEFAヨーロッパリーグ・プレーオフ第2戦のハーツ戦でトップチームデビュー。同年12月15日、ヨーロッパリーグのグループリーグ第6節、シャムロック・ローヴァーズ戦(4-0)でトップチームでの初ゴールを決めてこの試合の勝利に貢献したが、チームは勝ち点で及ばずグループリーグで敗退した。シーズン前半はクラブで過ごしたが、2012年1月1日、当時のチームメイトであるライアン・メイソンと共にフットボールリーグ・チャンピオンシップのミルウォールにレンタル移籍する。移籍後はシーズン後半だけで9ゴールをあげる活躍を見せ、ミルウォールのファンが選ぶ最優秀若手選手に選ばれた。
2012年8月19日、2012-13シーズン開幕戦のニューカッスル・ユナイテッド戦終盤に途中出場しプレミアリーグデビューを果たす。同年9月1日、プレミアリーグのノリッジ・シティへレンタル移籍。2013年1月にトッテナムに復帰したが、2月にレスター・シティにレンタル移籍。
2014年1月からトッテナムに復帰、リーグカップのハル・シティ戦で初得点。その後2014年4月のサンダーランド戦でプレミアリーグ初先発、初得点を記録すると、そこから3試合連続ゴールを記録した。リーグ戦では途中出場などで3ゴールを決めるなど、トップチームに定着するシーズンとなった。
2014-15シーズンからは前シーズンまでジャーメイン・デフォーが着けていた背番号18に変更、不振のロベルト・ソルダードに代わりスターティングメンバーに定着、ブレイクを果たした。2014年10月23日に行われたUEFAヨーロッパリーグのアステラス・トリポリ戦でハットトリックを達成。しかし、後半41分にウーゴ・ロリスが退場し、交代枠を使い切ったため急遽ゴールキーパーと臨時キャプテンを務め、1失点を喫するという珍記録を作った。11月2日のアストン・ヴィラ戦では、試合終了間際に直接フリーキックを決めて決勝点を挙げた。2015年1月1日、チェルシー戦では2ゴール1アシストの活躍を見せた。その後も得点を重ね、1月のプレミアリーグ月間最優秀選手に選出されると、2月7日のアーセナル戦で2ゴール、続くリヴァプール戦で1ゴールの活躍を見せた。プレミアリーグ第27節のクイーンズ・パーク・レンジャーズ戦で2得点を挙げ、この時点で得点ランキングトップのジエゴ・コスタ、セルヒオ・アグエロに1点差まで詰めた。この活躍で、ロビー・ファウラー、デニス・ベルカンプ、クリスティアーノ・ロナウドに次いで史上4人目の快挙となる2か月連続の月間最優秀選手に選ばれた。プレミアリーグ第30節、レスター戦でプレミアリーグでは自身初となるハットトリックを決め、一時得点ランキングトップに立った。スイスのスポーツ研究国際センターが発表した、2015年1月1日から同年3月までの選手パフォーマンスのポジション別のランキングでは、フォワード部門で1位のリオネル・メッシ、2位アリエン・ロッベン、4位ルイス・スアレス、5位ジエゴ・コスタらに続いて6位にランクインした。これはクリスティアーノ・ロナウドやカリム・ベンゼマ、ネイマール、元トッテナムのエースであるガレス・ベイルを凌ぐ結果となった。3月は5得点したが、同じく5得点したオリヴィエ・ジルーに月間最優秀選手を譲り、史上初の3か月連続受賞とはならなかった。2015年4月5日のバーンリー戦では、初めてキャプテンマークを巻いて出場した。このシーズンは最終的にリーグ戦34試合21得点を挙げてアグエロに次ぐ得点ランキング2位になり、PFA年間ベストイレブンとPFA年間最優秀若手選手賞を受賞した。PFA年間最優秀選手賞はエデン・アザールに譲る形となった。シーズン終盤にはバルセロナなどからの関心が伝えられ、特にマンチェスター・ユナイテッドは4500万ポンド(約84億8000万円)を準備しているなどの話があがった。
2015-16シーズンのプレシーズンマッチを最後に背番号を18番から10番に変更した。背番号18番を付けて最後にプレーしたのはアウディカップ2015のレアル・マドリード戦となった。「クラブのレジェンドになりたい。」と変更の理由をDaily Telegraph紙に語った。9月26日のマンチェスター・シティ戦でシーズン初ゴールを記録、その後2015年11月のボーンマス戦ではハットトリックを達成するなど前シーズンを上回るハイペースで得点を量産した。特に3月はリーグ戦4試合で5得点を記録し月間最優秀選手に選ばれた。4月2日のリヴァプール戦で22得点目を決め、スパーズでのプレミアリーグ1シーズンの中でのクラブ最多得点を記録した。最終的にアグエロとジェイミー・ヴァーディを抑えてプレミアリーグの得点王であるゴールデンブーツを獲得した(スパーズの選手としてはテディ・シェリンガム以来の受賞)。
2016-17シーズン序盤、怪我でリーグ戦5試合を欠場するなど苦しいスタートとなった。シーズン中盤に差し掛かる2016年12月1日、ケインはスパーズとの契約を2022年まで延長。2017年1月14日のWBA戦では、自身プレミアリーグでの3回目となるハットトリックを決めた。2017年2月19日、FAカップ5回戦フラム戦にて再びハットトリックを達成。2017年2月26日のストーク戦では前半14分に通算100ゴールを記録すると、32分と37分にも続けざまにゴールを決め、9試合で3回目となるハットトリックを達成した。次ぐ2017年3月5日、エヴァートン戦でも強烈なミドルなどで2得点を決め、この時点で得点王争いの単独トップに立っていた。またこの試合でのゴール後のパフォーマンスが話題を呼び、英衛星放送のSKYSPORTSではこの話題に乗じて「プレミアリーグ最高のゴールセレブレーション」と題した特集が組まれた。ケインは同局のインタビューで「シーズン序盤ではあまりゴールを決められなかった、だからささやかなセレブレーションを考えた」と語った。2017年3月10日、自身4度目となるプレミアリーグ2月の最優秀選手に選ばれた。しかし怪我のため、約1月間離脱していたが、4月15日のボーンマス戦でスタメンに復帰すると、その試合で3シーズン連続の20ゴール以上となる得点を決めた。怪我の為シーズン中に8試合を欠場したが、2017年4月には活躍が認められて、PFA年間ベストイレブンに選出された。5月14日、ホワイト・ハート・レーンでの最後のホームゲーム、マンチェスター・ユナイテッド戦において、アウトサイドで技ありの決勝点を決め、勝利に貢献した。5月18日、延期されていた第34節レスター戦ではキャリア初の4得点を決め、再び得点王争いのトップに立った。プレミアリーグ最終節のハルシティ戦で再びハットトリックを達成、リーグ戦通算29ゴールとし、2年連続でプレミアリーグ得点王となった。また、PFAのファンが選ぶ2016-17シーズンのプレミアリーグMVPにも選ばれた。
2017-18シーズン開幕から3試合ノーゴールであったが、開幕から4試合目のエヴァートンとのゲームで2ゴールを決め、前半28分の1点目がトッテナムでの通算100ゴールとなった。9月23日、ウエストハムとの試合では先制点とトッテナムの2点目を決め、3-2での勝利をもたらした、3日後の9月26日、欧州CL第2節のAPOELニコシア戦でチャンピオンズリーグでは初のハットトリックを決めて勝利に貢献した。9月30日、ハダースフィールド・タウンとのゲームでも2ゴールを決め4-0での勝利をもたらした。2017年10月13日、9月開催のプレミアリーグの試合で合計6得点の活躍で、2017年9月のプレミアリーグ月間最優秀選手に選ばれた。10月22日、ウェンブリー・スタジアムで行われたリヴァプールとの対戦では相手DFのミスを突き2得点を決め、またソン・フンミンのゴールをアシストする活躍で4-0での勝利に貢献した。12月9日のストーク戦では2ゴールを決める活躍で5-1での勝利に貢献、同試合でプレミアリーグ131試合90得点として、リーグの得点最速記録では、アラン・シアラーの113試合に次ぐ2位の記録を達成した。
12月23日のバーンリーとの対戦では、2017年7回目となるハットトリックを達成、チームを3-0での勝利に導き、3日後の12月26日、サウサンプトン戦でも2試合連続となるハットトリックを達成、1点目のゴールでアラン・シアラーが記録したプレミアリーグ年間36ゴールの記録を破り新記録を樹立すると、2点目のゴールでリーグや欧州カップ、代表などの1年間のゴールの合計数で、リオネル・メッシを上回り最多得点者となり、最終的には3ゴール目で、先述のプレミアリーグ年間最多ゴール39点の新記録を樹立した。
2018年1月、月間8ゴールを挙げる活躍で2017年12月のプレミアリーグ月間MVPに選出され、スティーヴン・ジェラードと並び、プレミアリーグ最多の6度目の受賞となった。2018年1月14日のエヴァートン戦で2ゴールを決め、チームに勝利をもたらすと、この日の2ゴールでシェリンガムを抜き、プレミアリーグ創設以降でのトッテナム最多得点記録者となった。2月4日のリヴァプール戦では、プレミアリーグ通算100得点の記録がかかる1本目のPKを失敗、しかし試合終了間際に再度PKを獲得、これを成功させプレミアリーグ通算100ゴールの記録を達成した。2018年2月10日のアーセナルとのノース・ロンドン・ダービーではDFに囲まれながらヘディングで決勝ゴールを決め、1-0での勝利に貢献した。欧州CL決勝トーナメントベスト16、ユヴェントスとの1stレグの対戦では2-0とリードされたなか、アリのスルーパスに反応し2-1と追い上げのゴールを決め、2-2での引き分けに貢献した。2018年4月14日、3シーズン連続となる25ゴールを決めた活躍により、3シーズン連続となるプレミアリーグ年間ベストイレブンに選出された。5月9日、ニューカッスル戦では決勝ゴールを決め、チームを3期連続のチャンピオンズリーグ出場へと導いた。最終節のレスター・シティ戦で2ゴールを決めたが、リーグ戦32得点を記録したリヴァプールのモハメド・サラーに2点及ばず、3期連続のゴールデンブーツのタイトルを逃した。しかし自身最多の30ゴールを決めチームのリーグ3位、チャンピオンズリーグストレートインに貢献した。
2018-19シーズン、プレミアリーグ第2節のフラム戦ではシーズン初ゴールを決め3-1での勝利に貢献したが、これはプロキャリアで初となる8月のゴールで、これまで8月にゴールを決めたことは無く、メディアやファンからは8月の呪いなどとも謳われていた。8月27日、マンチェスター・ユナイテッド戦では自身オールド・トラッフォードでの初となるゴールを決め3-0で勝利した。14ゴールを決め、リーグの得点王争いでトップタイであったが、1月13日のマンチェスター・ユナイテッド戦で負傷し、3月まで戦線を離脱する見込みとなった。UEFAチャンピオンズリーグ準々決勝マンチェスター・シティ戦1stレグで負傷し、以降の試合を欠場し、プレミアリーグ5年連続20ゴールの記録が途絶えた。チャンピオンズリーグ決勝のリヴァプール戦で約2か月ぶりに復帰し先発フル出場を果たしたが、存在感を示せず、チームは0-2と敗れ優勝を逃した。
開幕戦となったアストン・ヴィラ戦で決勝ゴールを含む2得点を挙げて好調なスタートを切った。第6節のレスター・シティ戦では、ソン・フンミンのパスを受けてエリア内に侵入し、背後からDFに押されて転倒しながらも強引にGKの左上を撃ち抜くゴールで先制点を挙げたが、試合には逆転負けを喫した。2019年11月にポチェッティーノ監督が成績不振で解任され、後任にモウリーニョが監督に就任し、その初戦となったウエストハム戦では決勝ゴールを決めた。さらに次戦のCLグループ第5節オリンピアコス戦では同点ゴールを含む2ゴールを挙げて4-2の勝利に貢献し、CL通算得点数を20に伸ばした。出場24試合での同記録達成はアレッサンドロ・デル・ピエロの26試合を更新し史上最速である。第21節のサウサンプトン戦でハムストリングを断裂し、半年程度離脱の可能性が高く、EURO2020も欠場する可能性が報じられた。しかし、新型コロナウイルス感染拡大により、3月中旬から3か月間リーグ戦が中断。リーグ再開後初戦となる6月19日の第30節のマンチェスター・ユナイテッド戦にて復帰を果たし、2試合目となる31節のウェストハム戦で復帰後初のゴールを決めた。第32節のシェフィールド・ユナイテッド戦では3-1で敗れたものの1得点を挙げ、過去にリーグで対戦した29クラブ全てに対して得点を記録した。第36節のニューカッスル戦では1-1で迎えた60分に決勝ゴールを決め、90分には追加点を挙げて勝利に貢献し、また前者のゴールでクラブキャリア通算得点数を200に伸ばした。出場350試合での同記録達成はティエリ・アンリやセルヒオ・アグエロといった歴代のストライカーを上回るハイペースである。EL出場権をかけた大一番となる37節のレスター・シティ戦でも、2得点を挙げ勝利に貢献、試合後にはマンオブザマッチに選出された。最終節のクリスタル・パレス戦でも先制点を挙げたが、試合には1-1で引き分けた。怪我での離脱もあったがリーグ戦ではシーズン中、18ゴールを決め、ウルヴァーハンプトンを逆転しての6位フィニッシュに貢献した。
9月20日、リーグ第2節のサウサンプトン戦ではソン・フンミンのリーグ初となるハットトリックを含む4ゴール全てをアシストする活躍を見せ、リーグ史上初めて同一選手の4得点をアシストした選手となった。また、イングランド人選手の1試合4アシストも同リーグでは初めてのことである。11月5日、UEFAヨーロッパリーグ第3節のルドゴレツ戦でトッテナムでの通算300試合を達成、この試合でゴールを決め、クラブでの通算200ゴールも達成した。11月8日、リーグ第8節のウェスト・ブロムウィッチ・アルビオン戦では88分に決勝ゴールを決め、リーグ史上10人目となる通算150ゴールを達成した。通算218試合出場での同記録達成はアラン・シアラー、セルヒオ・アグエロに次いで史上3番目に速い。12月6日、アーセナルとのノースロンドンダービーでゴールを決め、同ダービーでの通算ゴールを11とし、最多記録を樹立した。2021年3月7日、リーグ27節クリスタル・パレス戦では2ゴール2アシストと活躍した。また、76分の2得点目をソンのアシストから決めたことで、同選手とのコンビネーションによって生み出した得点はシーズン14点目を記録した。これは1994-95シーズンのシアラーとクリス・サットンによる13得点を更新してリーグ史上最多となった。5月23日、リーグ最終節レスター戦にて前半に相手のミスからゴールを決め、さらに同点で迎えた87分にはガレス・ベイルの決勝点をアシストした。最終的にリーグ戦では35試合に出場、23得点14アシストを記録し、サラーと1点差で自身3度目のゴールデンブーツを獲得、更に自身初となるプレーメーカーアワードも獲得した。リーグ史上においてこれら両方の受賞経験がある選手はアンディ・コールとアンリに次いで3人目、同時受賞は1993-94シーズンのコール以来となる快挙である。シーズン終了後、自身2017-18シーズン以来となるPFA年間ベストイレブンにソン・フンミンと並んで選出された。
2021-22シーズン開幕前、ケインは環境の変化を求めて移籍を要求。しきりにマンチェスター・シティへの移籍が報じられていたが、トッテナム側はシティ側の獲得オファーを断固として拒否した。チームは開幕2週間ほど前からトレーニングをスタートしたがケインはこれを欠席。数日後に「欠席は予定通りだった」などとするコメントを発表したが、移籍報道は加熱した。開幕戦は奇しくもシティとのホームゲームとなったが、同シーズンに就任した監督ヌーノ・エスピーリト・サントは、このシティとの開幕戦にケインを起用しなかった(1-0で勝利)。2節ウルヴァーハンプトン戦では終盤に途中出場し、サポーターからは拍手が送られた。移籍市場の終了が近付いても移籍話は進行せず、閉場の1週間前にケイン自身が沈黙を破り、同シーズンはトッテナムの一員として闘うことを宣言した。9月22日、カラバオカップ3次ラウンドのウルヴァーハンプトン戦でシーズン初ゴールを記録した。2022年2月19日、因縁のマンチェスター・シティとの対決となるリーグ26節では4分にスルーパスで先制ゴールの起点を作り、同点にされて迎えた59分にはソンのアーリークロスに合わせて勝ち越しゴールを記録。さらに再び追いつかれて迎えた95分、デヤン・クルゼフスキのクロスをヘディングで叩き込み決勝点を挙げた。2月26日、リーグ28節リーズ戦にてソンの得点をアシストしたことで、同選手と互いにアシストしたゴールの数は累計で37となり、チェルシーのディディエ・ドログバとフランク・ランパードのコンビを抜いてリーグ史上最多記録を樹立した。
2022年8月20日、ウルヴァーハンプトン・ワンダラーズ戦でトッテナムでの通算250ゴール目となるゴールを挙げた。2023年2月6日、リーグ第22節のマンチェスター・シティ戦で得点を挙げ、プレミアリーグ通算200ゴールを逹成した。
2023年8月12日にFCバイエルン・ミュンヘンに移籍した。契約は2027年までの4年間で、背番号は9番。移籍当日の8月12日に行われたDFLスーパーカップのRBライプツィヒ戦にベンチ入りすると、後半19分から途中出場し移籍後初出場を果たした。8月18日、リーグ開幕戦のヴェルダー・ブレーメンに先発出場しブンデスリーガデビューを果たすと、前半4分に移籍後初アシストを記録し、後半29分には移籍後初ゴールも挙げた。8月27日、アウクスブルク戦では2ゴールを挙げ、ブンデスリーガ初出場から2試合で3得点を記録したクラブ史上3人目の選手となった。9月15日、バイエル・レバークーゼン戦でゴールを挙げ、このゴールはクラブキャリアでの300ゴール目となった。9月23日、VfLボーフム戦で移籍後初となるハットトリックを達成し、7-0での大勝に貢献した。ブンデスリーガ初出場から5試合で7得点の記録はクラブ史上最多記録となった。10月28日、リーグ第9節のダルムシュタット戦で再びハットトリックを記録。2ゴール目はセンターサークル内から放った、相手GKの頭上を超えるロングシュートであった。11月4日、ボルシア・ドルトムント戦で2試合連続となるハットトリックを達成し、4-0での大勝に貢献した。
各年代で代表に選出され、U-21イングランド代表では長く主力選手としてプレーしている。UEFA U-21欧州選手権の予選では8試合6得点と本大会出場権獲得に大きく貢献した。
2015年3月19日、イングランド代表のロイ・ホジソン監督から評価を得て、UEFA EURO 2016予選と国際親善試合に向けてのイングランド代表メンバーに初招集された。3月27日のUEFA EURO 2016予選リトアニア戦で71分にウェイン・ルーニーとの交代でデビューを果たすと、ラヒーム・スターリングのクロスにヘディングで合わせて代表デビューからわずか79秒で初得点を記録した。この得点はイングランド代表デビュー歴代最速ゴール記録となり、ケインは鮮烈な代表デビューを飾った。ユーロ本大会に出場したが、イングランド代表自体が不調でケインも無得点に終わるなど、活躍出来なかった。また予選リーグ第1戦で、コーナーキックのキッカーを長身FWケインが務めたことが批判され、2戦目以降はルーニーなどに変更された。
2017年6月10日に行われた、スコットランド代表との2018 FIFAワールドカップ・ヨーロッパ予選では初めてイングランド代表の主将を務め、1点ビハインドでイングランド代表の敗戦が濃厚となっていた後半48分、2-2とする貴重なボレーでの同点ゴールを決めた。続いて行われたマルタ代表とのワールドカップ予選でも2得点を決めた。同年10月5日のワールドカップ予選スロベニア戦では0-0で迎えた後半アディショナルタイムに決勝ゴールを挙げ、イングランドの6大会連続15回目のワールドカップ出場を決めた。
2018 FIFAワールドカップでのイングランド代表主将に任命された。グループステージ第1節のチュニジア戦で2得点を記録、続く第2節のパナマ戦で、ワールドカップではイングランド人史上3人目の快挙となるハットトリックを達成した。決勝トーナメント一回戦コロンビア戦では、カルロス・サンチェス・モレノに倒されて得たPKで先制点を決めるなどの働きでチームの勝利へ貢献。最終的には自身初、イングランド代表チームとしても1986年のゲーリー・リネカー以来となる32年ぶりの得点王に輝き、28年ぶり(1990年大会以来)となるイングランド代表のベスト4進出に大きく貢献した。
2019年9月8日、UEFA EURO 2020予選のブルガリア戦、11月14日のモンテネグロ戦ではハットトリックを決めて、イングランドを本大会出場へと導いた。なおこの予選では8試合連続ゴールなどで12得点を挙げた。2021年の本大会ではグループステージの3試合ではゴールが奪えず批判を受けた、決勝トーナメント1回戦のドイツ戦で勝利を決定的なものとするダメ押しゴールを奪うと。準々決勝のウクライナ戦では2ゴールを挙げてユーロでは約26年振りとなる準決勝進出に貢献、準決勝デンマーク戦では延長戦に入り得たPKのキッカーを務め、このキックを一度はシュマイケルに防がれたが、こぼれ球を押し込んで決勝ゴールを奪い、イングランド初のユーロ決勝進出に貢献した。
2022年、ワールドカップカタール大会の欧州予選では最多タイの12ゴールを挙げて本大会出場に貢献、本大会では、1次リーグ初戦のイラン戦ではゴールこそ奪えなかったが、2つのアシストを決めての勝利、第3選のウェールズ戦でも1アシストを決めて決勝トーナメントに進出、その決勝トーナメント1回戦のセネガル戦で大会初ゴールを挙げた。準々決勝のフランス戦でPKを決めて代表での通算得点を53としてルーニーに並んだが、その後得たもう1本のPKを失敗してチームはフランスに敗れた。大会中はトップタイとなる3つのアシストを決めた。
2023年3月、UEFA EURO 2024予選のイタリア戦でPKから代表通算54ゴール目を挙げ、ルーニーと並んで保持していた代表最多得点数53ゴールを更新、単独代表最多得点者となった。
クラブ | シーズン | リーグ | リーグ戦 | カップ戦 | リーグ杯 | 国際大会 | その他 | 合計 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
出場 | 得点 | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | |||
トッテナム | 2010-11 | プレミアリーグ | 0 | 0 | - | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
通算 | 0 | 0 | - | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |||
レイトン | 2010-11 | リーグ1 | 18 | 5 | 0 | 0 | - | - | 0 | 0 | 18 | 5 | ||
通算 | 18 | 5 | 0 | 0 | - | - | 0 | 0 | 18 | 5 | ||||
トッテナム | 2011-12 | プレミアリーグ | 0 | 0 | - | 0 | 0 | 6 | 1 | 0 | 0 | 6 | 1 | |
通算 | 0 | 0 | - | 0 | 0 | 6 | 1 | 0 | 0 | 6 | 1 | |||
ミルウォール | 2011-12 | チャンピオンシップ | 22 | 7 | 5 | 2 | - | - | 0 | 0 | 27 | 9 | ||
通算 | 22 | 7 | 5 | 2 | - | - | 0 | 0 | 27 | 9 | ||||
トッテナム | 2012-13 | プレミアリーグ | 1 | 0 | - | - | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | ||
通算 | 1 | 0 | - | - | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | ||||
ノリッジ | 2012-13 | プレミアリーグ | 3 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | - | 0 | 0 | 5 | 0 | |
通算 | 3 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | - | 0 | 0 | 5 | 0 | |||
レスター | 2012-13 | チャンピオンシップ | 13 | 2 | - | - | - | 2 | 0 | 15 | 2 | |||
通算 | 13 | 2 | - | - | - | 2 | 0 | 15 | 2 | |||||
トッテナム | 2013-14 | プレミアリーグ | 10 | 3 | 0 | 0 | 2 | 1 | 7 | 0 | 0 | 0 | 19 | 4 |
2014-15 | 34 | 21 | 2 | 0 | 6 | 3 | 9 | 7 | 0 | 0 | 51 | 31 | ||
2015-16 | 38 | 25 | 4 | 1 | 1 | 0 | 7 | 2 | 0 | 0 | 50 | 28 | ||
2016-17 | 30 | 29 | 3 | 4 | 0 | 0 | 5 | 2 | 0 | 0 | 38 | 35 | ||
2017-18 | 37 | 30 | 4 | 4 | 0 | 0 | 7 | 7 | 0 | 0 | 48 | 41 | ||
2018-19 | 28 | 17 | 1 | 1 | 2 | 1 | 9 | 5 | 0 | 0 | 40 | 24 | ||
2019-20 | 29 | 18 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 | 6 | 0 | 0 | 34 | 24 | ||
2020-21 | 35 | 23 | 2 | 1 | 4 | 1 | 8 | 8 | 0 | 0 | 49 | 33 | ||
2021-22 | 37 | 17 | 3 | 3 | 5 | 1 | 5 | 6 | 0 | 0 | 50 | 27 | ||
2022-23 | 38 | 30 | 1 | 0 | 2 | 1 | 8 | 1 | - | 49 | 32 | |||
通算 | 316 | 213 | 20 | 14 | 22 | 8 | 70 | 44 | 0 | 0 | 428 | 279 | ||
バイエルン | 2023-24 | ブンデスリーガ | - | |||||||||||
通算 | - | |||||||||||||
総通算 | 373 | 227 | 26 | 16 | 23 | 8 | 76 | 45 | 2 | 0 | 500 | 296 |
イングランド代表 | 国際Aマッチ | |
---|---|---|
年 | 出場 | 得点 |
2015 | 8 | 3 |
2016 | 9 | 2 |
2017 | 6 | 7 |
2018 | 12 | 8 |
2019 | 10 | 12 |
2020 | 6 | 0 |
2021 | 16 | 16 |
2022 | 13 | 5 |
2023 | 7 | 9 |
通算 | 87 | 62 |
# | 開催日 | 開催地 | 対戦国 | スコア | 結果 | 大会 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2015年3月27日 | ロンドン、ウェンブリースタジアム | リトアニア | 4–0 | 4–0 | UEFA EURO 2016予選 |
2 | 2015年9月5日 | セラヴァッレ、サンマリノ・スタジアム | サンマリノ | 0–5 | 0–6 | |
3 | 2015年9月8日 | ロンドン、ウェンブリースタジアム | スイス | 1–0 | 2–0 | |
4 | 2016年3月26日 | ベルリン、ベルリン・オリンピアシュタディオン | ドイツ | 2–1 | 2–3 | 国際親善試合 |
5 | 2016年5月22日 | マンチェスター、シティ・オブ・マンチェスター・スタジアム | トルコ | 2–1 | 2–1 | |
6 | 2017年6月10日 | グラスゴー、セルティック・パーク | スコットランド | 2–2 | 2–2 | 2018 FIFAワールドカップ・ヨーロッパ予選 |
7 | 2017年6月13日 | サン=ドニ、スタッド・ド・フランス | フランス | 0–1 | 3–2 | 国際親善試合 |
8 | 2–2 | |||||
9 | 2017年9月1日 | タカリ、タカリ国立競技場 | マルタ | 0–1 | 0–4 | 2018 FIFAワールドカップ・ヨーロッパ予選 |
10 | 0–4 | |||||
11 | 2017年10月5日 | ロンドン、ウェンブリースタジアム | スロベニア | 1–0 | 1–0 | |
12 | 2017年10月8日 | ヴィリニュス、LFFスタディオナス | リトアニア | 0–1 | 0–1 | |
13 | 2018年6月2日 | ロンドン、ウェンブリースタジアム | ナイジェリア | 2–0 | 2–1 | 国際親善試合 |
14 | 2018年6月18日 | ヴォルゴグラード、ヴォルゴグラード・アリーナ | チュニジア | 0–1 | 1–2 | 2018 FIFAワールドカップ |
15 | 1–2 | |||||
16 | 2018年6月24日 | ニジニ・ノヴゴロド、ニジニ・ノヴゴロド・スタジアム | パナマ | 0–2 | 1–6 | |
17 | 0–5 | |||||
18 | 1–6 | |||||
19 | 2018年7月4日 | モスクワ、スパルタク・スタジアム (モスクワ) | コロンビア | 1–1 | 1–1 | |
20 | 2018年11月18日 | ロンドン、ウェンブリースタジアム | クロアチア | 2–1 | 2–1 | UEFAネーションズリーグ2018-19 |
21 | 2019年3月22日 | チェコ | 2–0 | 5–0 | UEFA EURO 2020予選 | |
22 | 2019年3月26日 | スタディオン・ポド・ゴリツォム | モンテネグロ | 4–1 | 5–1 | |
23 | 2019年9月7日 | ロンドン、ウェンブリースタジアム | ブルガリア | 1–0 | 4–0 | |
24 | 2–0 | |||||
25 | 4–0 | |||||
26 | 2019年9月10日 | サウサンプトン、セント・メリーズ・スタジアム | コソボ | 2-1 | 5-3 | |
27 | 2019年10月11日 | プラハ、シノー・ティップ・アレナ | チェコ | 0-1 | 2-1 | |
28 | 2019年10月15日 | ソフィア、ヴァシル・レフスキ国立競技場 | ブルガリア | 0-6 | 0-6 | |
29 | 2019年11月15日 | ロンドン、ウェンブリースタジアム | モンテネグロ | 2–0 | 7–0 | |
30 | 3–0 | |||||
31 | 5–0 | |||||
32 | 2019年11月17日 | プリシュティナ、ファディル・ヴォクリ・スタジアム | コソボ | 0-2 | 0-4 | |
33 | 2021年3月28日 | ティラナ、アレーナ・コムバターレ | アルバニア | 0-1 | 0-2 | 2022 FIFAワールドカップ・ヨーロッパ予選 |
34 | 2021年3月31日 | ロンドン、ウェンブリースタジアム | ポーランド | 1-0 | 2-0 | |
35 | 2021年6月30日 | ドイツ | 2-0 | 2-0 | UEFA EURO 2020 | |
36 | 2021年7月3日 | ローマ、スタディオ・オリンピコ・ディ・ローマ | ウクライナ | 1-0 | 4-0 | |
37 | 3-0 | |||||
38 | 2021年6月30日 | ロンドン、ウェンブリースタジアム | ドイツ | 2-0 | 2-0 | |
39 | 2021年7月8日 | ロンドン、ウェンブリー・スタジアム | デンマーク | 2–1 | 2–1 | |
40 | 2021年9月3日 | ブダペスト、プシュカーシュ・アレーナ | ハンガリー | 0-2 | 0–4 | 2022 FIFAワールドカップ・ヨーロッパ予選 |
41 | 2021年9月9日 | ワルシャワ、ワルシャワ国立競技場 | ポーランド | 0-1 | 1–1 | |
42 | 2021年11月13日 | ロンドン、ウェンブリースタジアム | アルバニア | 2–0 | 5–0 | |
43 | 3–0 | |||||
44 | 5–0 | |||||
45 | 2021年11月16日 | セラヴァッレ、サンマリノ・スタジアム | サンマリノ | 3–0 | 10–0 | |
46 | 4–0 | |||||
47 | 5–0 | |||||
48 | 6–0 | |||||
49 | 2022年3月26日 | ロンドン、ウェンブリースタジアム | スイス | 2–1 | 2–1 | 国際親善試合 |
50 | 2022年6月7日 | ミュンヘン、アリアンツ・アレーナ | ドイツ | 1–1 | 1–1 | UEFAネーションズリーグ2018-19 |
49 | 2022年9月26日 | ロンドン、ウェンブリースタジアム | 3–2 | 3–3 | ||
52 | 2022年12月4日 | アル・ホール、アル・バイト・スタジアム | セネガル | 2-0 | 3-0 | 2022 FIFAワールドカップ |
53 | 2022年12月10日 | フランス | 1-1 | 1-2 | ||
54 | 2023年3月23日 | ナポリ、スタディオ・ディエゴ・アルマンド・マラドーナ | イタリア | 2–0 | 2–1 | UEFA EURO 2024予選 |
55 | 2022年3月26日 | ロンドン、ウェンブリースタジアム | ウクライナ | 1–0 | 2–0 | |
56 | 2023年6月16日 | タカリ、タカリ国立競技場 | マルタ | 3–0 | 4–0 | |
57 | 2023年6月19日 | マンチェスター、オールド・トラッフォード | 北マケドニア | 1–0 | 7–0 | |
58 | 7–0 | |||||
59 | 2023年9月12日 | グラスゴー、ハムデン・パーク | スコットランド | 3-1 | 3-1 | 国際親善試合 |
60 | 2023年10月17日 | ロンドン、ウェンブリースタジアム | イタリア | 1-1 | 3-1 | UEFA EURO 2024予選 |
61 | 3-1 | |||||
62 | 2023年11月23日 | マルタ | 2-0 | 2-0 |